米陸軍戦略大学校テキスト 孫子とクラウゼヴィッツ軍事戦略の不朽の名著『孫子』と『戦争論』。軍事戦略研究の大家が両書を大胆に比較し、真に学ぶべき戦略の本質に迫る。米国のみならず世界中の軍人が共通して学んだグローバル・スタンダードな戦略が学べる入門書。
米陸軍戦略大学校テキスト 孫子とクラウゼヴィッツ最も参考になったカスタマーレビュー
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5つ星のうち 5.0 稀にみる良書、良訳 2012/10/3
By pi-hyu
「失敗の本質」の著者の一人でもある杉之尾氏の新刊ということもあり読んでみた。
本書は米陸軍戦略大学校のテキストの訳書ということではあったが、
入門書ということもあり、孫武とクラウゼヴィッツの戦略思想の対比が大変分かり易い。
分かり易いと言っても、浅いということではなく、著者であるマイケル・ハンデル氏の軍事戦略論に対する分析力が際立ち、
単なる比較ではなく、その先にどういう位置づけでその戦略があるのかが明瞭に語られている。
なによりも、「孫子」と「戦争論」を比較し分析することにより、自国の戦争の総括をしようとしたアメリカという国に驚かされる。
国家の大事の総括をことごとく等閑にしてきている国の国民としては、その点だけでも一読の価値はある。
また、ビジネスにおける戦略論も謳われて久しいが、小手先だけの戦術が論じられることも少なくなく、
IT技術によるノウハウで終わることも多い。
当然、そういった戦術や技術を駆使することも必要なのだが、そこにあるはずのグランドストラテジーとは?
それが全てではないが、それなくして全てはない。
確かな理念の基に、紀元前と近代の二大戦略論が分析された本書は、今だからこその新たな気付きが多く、
大変な良書であった。
また一般に、訳書は訳者の当該分野への理解不足や訳間違いなどから、原書に比べ内容的に劣ることも多いが、
優れた研究者に丁寧に訳されたものは、原書と同等、もしくは時として原書を超える良書となり得る。
本書も、訳者の杉之尾、西田両氏の「孫子」、「戦争論」に対する真摯な研究姿勢と深い知識が垣間みられ、
稀に見る良訳であると思われる。
国家の大事に限らずとも、決断を求められる立場の人間、ビジネスパーソン、学生には一読の価値ありと考える。
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