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採用基準



採用基準


●概要
マッキンゼーの採用マネジャーを12年務めた著者が語る

マッキンゼーと言えば、ずば抜けて優秀な学生の就職先として思い浮かぶだろう。
そこでは学歴のみならず、地頭のよさが問われると思われがちで、応募する学生は論理的思考やフェルミ推定など学んで試験に挑もうとする。
しかしマッキンゼーの人事採用マネジャーを10年以上務めた著者は、このような見方に対して勘違いだという。
実はマッキンゼーが求める人材は、いまの日本が必要としている人材とまったく同じなのだ。
だからこそ、マッキンゼーは「最強」と言われる人材の宝庫の源泉であり、多くのOBが社会で活躍しているのだ。
本書では、延べ数千人の学生と面接してきた著者が、本当に優秀な人材の条件を説くとともに、日本社会にいまこそ必要な人材像を明らかにする。

●主な内容 ・マッキンゼーでの17年間
・コンサルティングより人材育成システム
・誤解される採用基準
・採用したいのは将来のリーダー
・東大法学部と経済学部の学生の違い
・スクリーニング基準と採用基準の違い
・日本の大企業で劣化する人
・能力の高い人より、これから伸びる人
・「マッキンゼー入社」を目標にしている人は採用されない
・不幸な海外MBAへの企業派遣制度
・すべての人に求められるリーダーシップ
・リーダーシップで人生をコントロールする
・メンタルセットの変化
・問題が解決できる
・自分の世界観が実現できる
・世界が拡がる
・価値観転換機関としてのマッキンゼー







採用基準



最も参考になったカスタマーレビュー
56 人中、50人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 マッキンゼーを辞めるということ 2012/11/9
By 酒井 穣 トップ1000レビュアー
形式:単行本(ソフトカバー)
できるだけ偏差値の高い大学に進学し、できるだけ有名な企業に入るということは、要するに、自分の将来の可能性を減らさないように生きるということだと思います。実際、偏差値の高い大学に入れば、どこでも行きたい企業に行ける可能性が高まります(あくまでも可能性)。新卒で有名な企業に入れれば、経験できる仕事の幅も広がるし、その後の転職も有利になるでしょう(これもあくまでも一般論)。

とはいえ、このように選択肢を少しでも多く確保しておこうとするのは、いつか、自分の人生を「ココ」と決めるためです。なんとか可能性を維持しようとするのは、良い人生をおくるための「手段」なのであって、人生の「目的」にはなりえません。ところが人間は、往々にして、この手段と目的を間違えてしまう生き物であることは、良く知られているところでしょう。

世界最高のファームとして名高いマッキンゼーにも、マッキンゼーに入ること自体を目的とする人材が多く集まるようです。しかし、マッキンゼーという組織がちょっと特殊なのは、こうした人材に自らの人生を見つめさせ、自らの意思で「ココ」を決められるところまで、人材を育成できるという点です。結果として、その人材がマッキンゼーを去ることになったとしても、このコンセプトは揺らがないようです。

『採用基準』というタイトル。この意味するところを浅く読んでしまえば、マッキンゼーに入ることを目的としたノウハウ本になってしまいます。しかし本書が秀逸なのは、マッキンゼーに「選ばれる」ための受動的な方法論を語る「ふり」をしながらも、実際には、自分らしい人生を「選ぶ」という能動的な方法論(=リーダーシップ論)を展開するところです。

有名企業に入ることを目的としてしまっている人にこそ読んでもらいたい、という想いがこもったタイトルですが、内容としては『マッキンゼーを辞めるということ』といったところが適切ではないかと思います。是非とも読んでおきたい1冊です。
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